レクタブルってそもそもどんな薬なの?
泡状の潰瘍性大腸炎新薬
「レクタブル(ブデソニド)」がいよいよ発売に!
自分にも間違いなく処方されるであろう
期待の新薬レクタブル(成分:ブデソニド)。
少し前にもこのブログにて、
「”レクタブル(ブデソニド)”を調べてみた」
を書きましたが、
これまでになかった新しい剤型、
泡の注腸薬です。
泡状なので薬剤が液状のものよりも
たとえ低濃度であっても
直腸やS状結腸に留まりやすい。
これは容易に想像できます。
成分としては、
日本国内では喘息治療薬(パルミコート)や
クローン病治療薬(ゼンタコート)としても
すでに使われていますし、
海外では潰瘍性大腸炎の治療薬として、
2006年からイギリスなど欧州をはじめアメリカなど、
世界36カ国で承認されていて実績もあります。
下記ニュースリリースも、
2017年12月6日配信で出ていました。
ちなみに両社で販売するとあります。
こういうのってよくあることなのでしょうか?
潰瘍性大腸炎治療薬「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」(開発番号:AJG511、以下「本剤」)を、12月7日に新発売しますのでお知らせいたします。 〜中略〜 EAファーマとキッセイ薬品は、国内において同一製品名にてそれぞれ販売を行います。両社は本剤を提供することで、潰瘍性大腸炎患者様のより簡便で安全な局所治療薬のニーズにお応えし、患者様のQOLの向上に貢献できるものと期待しています。
出典:キッセイ薬品工業株式会社/EAファーマ株式会社 ニュースリリース
”潰瘍性大腸炎治療薬「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」新発売のお知らせ”
気になる薬価
患者としては、お薬代気になります。
そこで潰瘍性大腸炎治療に使われる
プレドネマ、ステロネマ、リンデロンなどの
従来注腸薬と比較してみました。
レクタブル®2mg 注腸フォーム14回 | 48mg 30.8g | 1瓶 | 6,940.60円 |
プレドネマ注腸20ml | 20mg | 1個 | 679.20円 |
ステロネマ注腸3.5mg | 3.95mg | 1個 | 641.60円 |
ステロネマ注腸1.5mg | 1.975mg | 1個 | 454.50円 |
リンデロン坐剤1.0mg | 1mg | 1個 | 103.20円 |
こう見ると圧倒的にお値段が高いのですが、
1瓶で14回使え、1回あたりの薬価は495.76円となり、
ステロネマ1.5mgとおおよそ同価格となります。
そもそもUCの薬は全般的に高いとはいえ、
患者としては一安心。
効果効能以外の使用上でのメリット
前も少し触れたのですが、
UC患者からするとユーザビリティ改善が大きいと思います。
立位での使用も可能だそうです。
もちろんこの辺りは慣れるまでは難しいでしょう。
ちなみに自分は、
プレドネマを1ヶ月分など処方されたときには、
保管スペースをかなり取ってしまい、
それだけでもブルーになります。
この辺りの改善も患者にとっては大きなことです。
こうしたソフト面の改善って
なかなか薬の世界では難しいことなのではないでしょうか。
- 薬剤投与時の体勢の大幅改善
- 持ち運びしやすい
- 保管場所も取らない(かさばらない)
気になる副作用
あくまで、これはステロイド。
ステロイド服用で言われているものと
同様の副作用は可能性としてありますが、
注腸ということもあり、
ステロイド吸収量としては微量となります。
他の注腸と同程度かそれ以下。
そもそもそんなに強い薬ではなさそうです。
少ない有効成分量で、
最大限の効果を出す環境を作った薬
という理解です。
パルミコート(ブデソニドの吸入薬)は、
吸入ステロイド薬の中で最も安全性が高いとされているそうです。
FDA(アメリカ食品医薬品局)の胎児危険度分類で
唯一Bランク。
このBランクというのは、
妊婦さんにも適用することができるという指標とのこと。
それに、UCの注腸薬って何ヶ月も長期継続して
使うタイプの薬でもありませんしね。
添付文書を読み込むと、
肝機能異常は1〜5%の確率で起こるみたいで、
自己免疫性肝炎の誘発は気にはなるところですが、
B型肝炎に限定した書かれ方をしているようでした。
この辺は自分が使い始めてからまた記録していきたいです。
個人的に少し気になること
キッセイのウェブサイトでは
患者向けのわかりやすいページが用意されていました。
そして、下記のようにいくつか気になる記載がありました。
・投与前、アルミ製容器を温めてください。
出典:レクタブル®2mg注腸フォーム14回を使用される患者さんへ キッセイ薬品工業株式会社ウェブサイト
・投与の際、アルミ製容器ができる限り垂直になるよう、ポンプドームを真下に向けて投与してください。
・アルミ製容器は横にせず、室温(1℃~30℃)でキャップを付けた状態で立てて保管してください。
まず、容器。
「やっぱり温め必要なんだー、プレドネマと一緒かぁ」
とガッカリしていたところ、
湯煎はエアゾールにつき逆にNGなようですが、
手で温めてください、とありました。
それから、薬剤投与時、
薬の容器を完全に逆さまにして使うようです。
ヘッドのプッシュ部分を真下にする必要があるとのこと。
これを想像するに、プレドネマ体勢ではむしろ無理ですね。
あと保管時のアルミ容器を横にするなとあるのも、
エアゾール缶ならではの注意点だと思いました。
少しくらいは全然大丈夫でしょうけれどね。
最後に
ひまわりんのように、
5-ASA製剤(アサコール、ペンタサなど)が使えない
軽症・中等症の潰瘍性大腸炎患者にこそ、
寄与度が高そうなレクタブル。
私の通う病院でのレクタブル処方開始は
来年になりそうですが、
今年最後の受診日が来週なので、
進捗を聞いてきたいと思います。
すでに、
「もう処方してもらったよー」
「使ってみたよー」
という方は是非とも教えてください!
追記:
2018年1月23日 記
「新薬レクタブル、ようやく使ってみた!」をUPしました。
2018年8月22日 記
「レクタブルの飛行機への持ち込みOK?NG?」をUPしました。
2020年5月31日 記
「レクタブル効果を十分発揮できないNG使用例」をUPしました。
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