一昨日の続きです。
JCF2020「希少がん・神経内分泌腫瘍」セミナー聴講レポ vol.1 〜生存率はあくまで過去の目安〜
P-NET(膵NET)で経過観察の条件
アメリカのガイドラインでは、
2cm以下のNETは経過観察だそうですが、
日本ではサイズにかかわらず外科的切除が原則です。
ひまわりんの場合は2.5cmなので、
何れにせよ手術ですね。
昨日そういえば、
冒頭の「NETとは』というところに書きませんでしたが、
NETはとにかく遠隔転移しやすい(特に肝転移)
と言われています。
※セミナーではここは周知の事実だからか、説明はなかった気がします
だから、基本見つけたら切除、というのは
イメージしやすいです。
ただ、肱岡先生のいらっしゃる国立がんセンター
中央病院のP-NETの治療方針として、
次の4点が全て当てはまる場合は、
経過観察としているそうです。
・腫瘍が15mm以下
・EUS-FNAの結果、NET G1
・非機能性
・リンパ節転移や遠隔転移がないこと
以上を全て満たせば経過観察をしているそうです。
ひまわりんの場合は、腫瘍径がすで超えていますので
これには当てはまらないのですが、
他の3点については、まだわからないです。
(てか、そもそもNETかどうかわからない)
P-NETの薬物療法
色々あるみたいですが、
最近では「ランレオチド」というのが新しいみたいです。
副作用と治療強度の弱い順に、
1. 月1回の注射を行うソマトスタチンアナログ
と呼ばれる、「オクトレオチド」や「ランレオチド」
2. 内服薬の「スニチニブ」、「エベロリムス」
3. 点滴で行う「ストレプトゾシン」、「テモゾロミド」
個人的に興味深かったのが、
膵臓がん(一般的ながん)の治療では、
まず治療強度も副作用も強いもので
ガツンと叩いてから、
様子を見ながら弱いものに変えて行くそうなのですが、
NET治療では逆のパターンをとるそうです。
ソマトスタチン受容体の存在有無
ひまわりんが今週受ける検査、
ソマトスタチン受容体シンチグラフィ
(通称オクトレオスキャン)。
神経内分泌腫瘍に集まる放射性物質を含む薬を
注射して集積具合を画像診断できる検査です。
「薬は海外からの取り寄せだから
絶対にキャンセルしないでね」
と病院からもきつく言われています。
高分化のNET(NETG1〜G3)は
ソマトスタチン受容体を持つので、
オクトレオスキャン検査で信号が認められれば
NETが明らかとなります。
(グレードはわからないはず)
と、ここまではセミナーメモではないです。
今後、最新のNET治療を受けるにあたり、
このオクトレオスキャン検査の結果で
ソマトスタチン受容体を持っているかどうか
画像診断できていることが重要になってくるのです。
それが、今年製造販売承認がされて、
来年21年夏頃には保険適用として開始される
見込みの「PRRT療法」です。
PRRT(ペプチド受容体放射線核種療法)
この治療は、ヨーロッパでは20年以上前から
NETの標準治療として実績のあるものだそうです。
日本での保険適用に至るまでに、
なぜこれだけ時間がかかったのかはわかりません。
日本のNET患者さんもこの治療を受けるために
スイスに渡航し、高額な治療を受けている、いた
という情報には、NETをネット検索で調べている中、
いくつか当たりました。
このPRRTは治療成績が良いことだけでなく、
・半年に4回(8週おきに)注射を打つのみ
・副作用が少ない(ただし腎機能にはダメージあり)
と、患者負担が少ないことも大きな利点です。
ただ、P-NETについては大腸などに比べて
少し治療成績が劣るようです。
あと、PRRT可能施設については、
今後限定される可能性があるとのことで、
希望する場合は、保険適用が始まる前に
主治医との相談をしておいた方が良いとのことでした
他にも、たくさん症例(画像診断)なども
見せていただきながらの講義でしたが、
まだまだ私の勉強不足で理解が
追いつかないところも多々ありました。
今後もこうした貴重な講演会が
オンラインで開催されるとありがたいなと思います。
【あとがき】 仕事はまもなく休暇に入らせてもらうため最後の残務をしているところ。11月以降も平日の大半は病院で、空いた時間に予定を詰め込んだら、もう本当に空きがない。本当に時間がない。1日24時間、あっという間だなあと思います。そして、また今日が終わる・・・でも命の限りを想定しながらの毎日は、1日1日、一瞬一瞬がとても有意義!
「読んだよーん」のしるしにバナーもクリックしてもらえると嬉しいです。
この記事へのコメントはありません。