膵臓膵体尾部と脾臓全摘出の手術についての
セカンドオピニオンの報告
セカオピ vol.2 「信頼につながるチーム医療と風通しの良さ」
の続編でこれが最終回となります。
長いです。そして、かなり難しいかも・・・
長い1日となった2020年9月24日の記録(vol.3)となります。
大切な膵臓を摘出するにはもっと証拠集めを
Dr.イマドキになんども言われたのが、
「開腹手術を決めるにはまだ証拠が不十分」ということです。
「ひまわりんさんの場合、開腹手術に至るにはまだ証拠が足りない。検査が不十分。膵臓というのは、生きていくのにとても大切な臓器だし、簡単にハイ切り取りますというわけにはいかない、もちろん手術もリスクを伴う。」(←ニュアンス)
そしてですね、どうやらひまわりんの膵臓が非常に大きそうだという可能性も出てきました。
6年前のCT画像見ても、いわゆる一般的な(平均的な)膵臓の形、いわゆる尻すぼみの「おたまじゃくし」の形ではなく、極端ですが「ひょうたん」を横にしたような形というか・・・
言葉で説明するのはむずかしいw
MCNの好発年齢について
ググると、MCNは中年女性に後発とよく書かれています。
A病院でもAIHの主治医も「MCNは中年女性に後発して、それは尾部にできるのがほとんど。だからMCN。」というような説明だったのですね。
でも、UC病院では、「MCN好発の中年女性」という定義に少し差を感じました。
ひまわりんは、御歳42歳でございますが、MCNの中年というのは40代後半以降をさしているようでした。MCNには少し年齢が若いという見解。
ちなみにMCNは、厚い壁を有しその中にシストがあり、夏みかんのような嚢胞腫瘍だと言われています。
5−6cmの嚢胞腫瘍と言われていたものについて
外科の見解↓
「今ある材料だけでは、この5−6cmと指摘されたというものが嚢胞とは断定できない。境界がとてもぼやけているし、充実成分が認められない。単に膵臓が腫れている、ということも考えられる。可能性としては、膵炎ということも否定できない。もし膵炎ならば、尾部の嚢胞が仮性嚢胞という可能性だって出てくる。いずれにしろ、今の不足材料のまま即手術、というのは違うと思う。まずは超音波内視鏡(EUS)でももう少しアタリをつけるべきではないか?」(←ニュアンスです)
内科医の見解↓
「尾部側のものは嚢胞性腫瘍で間違いないと思うが、膵体部のぼやけているところ(A病院では腫瘍の一部と診断されている部分)は、腫瘍ではなく(外科医の見解と同じく)膵炎の可能性もあり、その場合は尾部の怪しいところが仮性嚢胞の可能性もある。ただし、5年前の画像でも小さいが存在しているので、これはほぼMCNなどの嚢胞性腫瘍の可能性が高そう。あとは、自己免疫性膵炎とか、IgG4関連疾患という線もありえないことはない。ただ、膵炎で上がってくる項目は全て正常値だから、可能性は低いか。他に採血で調べられるから調べましょう」
な、なんと???A病院の、Dr.GHは嚢胞腫瘍としか言わなかったけど、そのような見解もあったのか・・・腫瘍がある部分は、余裕をもって広めに切除するとはいえ、今のままでは正常膵臓を腫瘍として切除するような感じになるかもしれないのですね。
本来は、尾部に向かって細くなっているので良いのですが、ひまわりんの場合、膵臓自体の形が平均的ではないので、できるだけ膵臓の断面が小さいところで切除するべきなその場所の選定が難しそう。そして、それが、その嚢胞なのか、腫れているのか、ただ単に膵臓が大きいだけなのか、だけでもどこを切断面とするかが変わってくるようです。
それによって、膵臓の半分強を切除と言われていたものが3分の1で済むかもしれません。
そういった術前のプランが不十分なような気がしてきました。
聞けば聞くほど、大事な手術なはずなのに、簡単に決めつけられすぎてはしないか??という疑念が増してきました。
脾臓温存の線はなし
「少なくともこの尾部の嚢胞は厚い壁が確認できるし、MCNなどの嚢胞腫瘍だと思うが、ここは3cm強くらい。嚢胞だとすれば(ほぼ間違いないが)良性でも悪性でも手術適応。ここは脾臓に接地しているから、やはり膵尾部切除で、脾臓温存はできない。」(ニュアンス)
脾臓温存については、A病院のGHと同じ意見でした。
開腹手術の納得材料ではなく、
むしろ腹腔鏡リコメン
「当然、安全な手術と根治性を大前提に十分に考慮した上での話ですが、尾部の嚢胞の切除、これは腹腔鏡下で行えます。仮に、上のまだ明らかでない腫瘍らしきもの(腫れているところ)が腫瘍であったとしても6cmならば腹腔鏡が可能です。そして、これがたとえ、癌であっても、腹腔鏡で(私なら)やります。術後のQOLと根治のバランスを考えていかねばならないでしょう。」(ニュアンスです)
ひまわりんも、母も、なんとなく予想してはいたのですが、ドクターの世代にもよるのかな、という気がしています。
膵体尾部+脾臓全摘出における開腹手術と腹腔鏡下手術のメリットはぞれぞれにありますが、中でも一番大きな違いは、術後の痛みと回復、QOLです。
【開腹手術のメリット・デメリット】
◯ オペ時間が4−5時間と短い
◯ 直接触れながらオペできる
× 術後の激しい痛み、回復に時間がかかる、QOL低下
× 大きな手術痕が残る
【腹腔鏡下手術のメリット・デメリット】
◯ 術後の痛み、回復、QOLの点でかなり有利
◯ 手術痕が小さい
◯ 内視鏡映像を見ながらの手術による拡大視効果で、細かいところまで見える
◯ その画面を手術スタッフ全員で共有できる(見落としリスク軽減)
× 手術時間が、6−8時間と長い
× カメラで見ているので死角がある
× 大出血に対する処置が困難
× オペレーターの高度な手術手技が要求される
後悔しないために、追加検査を受けます
安全に手術を行えるか、そして根治できるか、無駄なものまで切ろうとしていないか、をもう少し精査する必要があるように思いました。
そんなことはないと思いますが、手術実績を作りたいがために手術を急いだり、不要に開腹手術の適応にはして欲しくないです。
なにより、A病院は、Dr.GH以外の意見って出てきてないけれど、ワンマンなのかな?チーム医療で支えてもらえた方が患者としては安心です。
膵臓切除における腹腔鏡下手術の進歩
腹腔鏡の器具などの進化やオペレーターの手技の進歩などで、ほとんどの臓器において腹腔鏡下手術が多くなったにも関わらず、膵臓の手術はその難易度の高さから比較的近年まで開腹手術が主流だったようです。
ですが、膵臓の手術の中でも膵体尾部の摘出手術は、近年、腹腔鏡が主流です。ここ5年くらいで特に大きく変わってきています。各病院やがんセンターなどの症例、手術実績を見てみても明らかです。
例えば、国立がんセンター東病院の肝胆膵外科切除症例数(術式別:2019年度)によると、下記のようになっています。
尾側膵切除(開腹) | 16 |
尾側膵切除(腹腔鏡) | 25 |
これは、癌か膵腫瘍なのかの内訳がないのでなんとも言えませんが、腹腔鏡の方が多いです。
そして、20年4月から、悪性腫瘍による膵頭部十二指腸切除術においても腹腔鏡下手術が保険適用になったそうです。この手術はひまわりんの受ける膵体尾部&脾臓切除術よりも難易度が高いと言われています。
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は、その難易度の高さから、2016年4月に保険適用となった際には「原則として脈管の合併切除およびリンパ節郭清切除を伴わないもの」とする限定条件がついていたそうです。
ですが、今年4月に、悪性腫瘍で「リンパ節・神経叢郭清等を伴う」「周辺臓器の合併切除を伴う」腫瘍切除術に対しても保険適用が認められたようです。
こうした医学の進歩を見ると、本当に私の腫瘍に対して開腹手術のなの?という疑念が増すわけです。
一方で、悪性(=癌)だった場合、リンパへの浸潤などが認められたらそのあたりも取って行くとなると思うが、そういう複雑な作業が必要となった際には開腹の方が有利と思われるので、腹腔鏡を選択する場合は、やはり術前にもっと精査が必要なんだと思います。
とはいえ、逆パターンだったらどうかを考える
今回は、開腹手術を推すA病院→腹腔鏡下手術を提案したUC病院、の順でしたが、これが逆順序であったらどう感じるか、どう受け止めるかということも考えています。
「腹腔鏡でやりましょう」、となったが、他の病院だと「開腹手術でやります、なぜなら、膵液漏リスクを最大に減らし、嚢胞サイズが大きく安全に取り出すためには開腹です」と言われたらどうか?
次の追加検査、EUSまで少し日にちがあるので考えてみたいと思います。
今日も左腹の痛みが激しい。
日に日に増大しているようです・・・耐えられなくはないけどさ・・・
これまでこの痛みに対しては、マッサージをグリグリやっていたのだけど、今思うと恐ろしや・・・ま、痛みを庇うようにして周りの筋肉が披露しているというのもありそうだど。
<あとがき> 好きな俳優さんの自死が続いています。この前も「行きたい人が生きられずの一方で」で書きましたが、健康な体と美しい容姿を持ち、素晴らしい才能に恵まれた方々なのに、、、切なすぎます。今日も膵臓がしくしく痛みますが、これは病気のせいだけではない気がします。
ひまわりんブログが初めての方は、
こちらの「はじめまして、ひまわりんです」もぜひご覧ください。
今日も、長い長い日記を読んでいただきありがとうございました。
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